獣人【シロ】と獣人【大輔】


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「浩介さんおかえりなさい」

「あぁ、ただいま。そんな所にいると風邪をひ・・・」

帰ってきた浩介に向けやわらかく微笑むシロの顔に、浩介は微笑み返すが、
シロの傍らにいる純白の犬を見ると表情をいっぺんさせる。

「・・・・来ていやがったのか犬っころ。勝手に俺達の家に上がってんじゃねーよ!!」
浩介の視線は、シロの横にいる白い犬に向かう。

「シロが良いっていったんだ。それに・・・お前に会いにきたわけじゃねーよ、人間!!」
浩介に『犬っころ』と、呼ばれた純白の犬は、人間の言葉で憎まれ口を叩く。
「あんだと、この犬っころ!!」
「やるか!?この人間!!」

ガルルル

暫く、浩介と大輔のにらみ合いは続く。そんな、二人のにらみ合いを止めたのはシロだった。

「ちょっちょっとやめてよ。二人とも・・・。」
シロは、おろおろと二人の顔を交互に見合わせ困惑している。

「ごめんね、浩介さん。そんなにいけないことだと思わなくって。大ちゃんは、兄弟みたいなものだから・・・。」

今にも泣きそうなシロの顔を見て浩介は頭をぽりぽりとかき、罰の悪そうな顔をする。
普段難しい顔をし、愛想のない浩介だが、どうもシロの泣き顔は苦手で本音がポロリとでる。
「・・ふぅ・・・あーそんな顔するな。ただのやきもちだから。」

「・・・・浩介さんでもやきもちやくの?」
シロは驚いたように目をまるくし浩介をみやる。

浩介は、やれやれと言うような少しあきれた顔をし、シロをまじまじとみやる。
「そりゃー、好きな奴が他の奴と楽しそうにしてればむかつくさ。しかも、このところ忙しくってろくに一緒にいれなかったしな」
そう言いながら、浩介はしろの頭をなで、シロは、そんな浩介を嬉しそうにみやる。

「・・・・・・・・・・・」

そんな大輔の存在すら忘れベタベタしている二人を大輔は、ため息交じりで見、しょうがないというように腰をあげる。
「けっ!!だったら、シロをあんまり寂しい思いさせんじゃねーよ人間。」

「犬っころに言われんでもそうするわ!!・・・・と、言うわけでとっとと出て行きやがれ!!」
浩介は、甘いムードをいっぺんさせ、シロの横にまだいるギッと大輔を睨みつける。

睨みつけられた大輔も、「あん?」と、負けじと浩介を睨みつける。
それを、浩介は意地悪そうに見下げ、わかんねーのか?とでも言うように会話を続ける。

「これから、寂しい思いしさせたぶん可愛がってやるんだよ。だから、邪魔だ犬っころ」
大輔からシロをはぎとり、浩介は自分の腕の中にシロを抱きしめる。

「ちょっと、浩介さん」
浩介の露骨な言い方と、態度にシロは目を丸くする。

「俺は他人に見せる気はねー。それとも何か?シロは見せたいのか?」
「なっ!!」
浩介のまじめな顔にシロは言葉を無くし、全身を真っ赤にしている。

「・・・・ばかばかしい。シロ本当にこんな人間がいいのか?」
「浩介さんじゃないと嫌なんだ。」
大輔の問いにシロは、見たこともないような綺麗な笑みをむける。

「大輔にそんな顔すんじゃねー。もったいない。」
大人気ない浩介の発言に、大輔はやれやれと言うような顔をする。
「本当、心の小さい男だよ・・・・シロ、嫌になったら何時でも帰ってこいよ?」
「有難う大ちゃん。」
「じゃーな、シロ」
そういいながら大輔は、シロの顔をペロと、なめる。

「!!!人のもんに手ー出してんじゃねーよ!!誰が帰すかぼけ!!」
今にも、けりだしそうな浩介をシロは必死に抑える。
「心の狭い男は嫌われるぞ人間、せいぜい捨てられないようにするんだな。」
シロが抑えているのをいい事に、輔は、捨て台詞を吐いて小ばかにしたようにでていった。

「二度とくんじゃねー!!」
浩介の叫びは、夜空に消えていった。


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余談:最近バカップルばっかり・・・。文章上手くまとまりませんでした(泣) 気が向いたら修正します。

2005/11/6up

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